向き合う覚悟

どうも、helveticaです。
今回はここ数日感じたことを書こうと思います。

最近は4年生の方とお話ししたり制作を手伝う機会が多く、
話が卒制の方向へ向かうこともしばしば。
ここ数日はムサビ日記ライターの4年生の方も、
卒制/卒制展関連の日記を沢山書かれていますよね。

その中には、どんな道に進むか決まっていない方や、
卒業後に全く美術と関連性のない進路へ行く方もいます。

そういう方々が臨まれた「卒業制作」。
その重みが、3年生になってようやく分かったような気がします。

最近はみちくささん・なのはなさんとお話しする機会があり、
卒制でどんなことをどんな思いでやっているのか…といったお話を伺いました。
お二人とも「自分が表現したいこと」に真摯に向き合っていて、
なおかつ「私はもっともっと表現に愛情を注ぎたかった」…というような話や
みちくささんの日記を話した帰りに読むに連れ、
本当に足下がすくむ思いでした。

その前にはデ情の4年生の方の卒制を手伝ったのですが、
何日間もろくに寝ない生活をしているのに制作に向かうその姿がまぶしくて、
その方は女の人なのにとってもかっこ良く見えて、
「私はこんなに真剣になれるのか」と不安になりました。

私はそんなに真剣に「表現すること」と向き合っているのか?
お二人みたいに芯の通った制作を最後に出来るのか?
寝ずに制作できるほど打ち込めるテーマを見つけられるのか?

私は今、全く自信がありません。

もうそれは命がけで、自分のやりたいことを全力で、
「これが私の考えたことだ!」と胸を張って卒制を残す自信が、

全くありません。

そんな自分を涙が出るほど情けなく思います。
 

けど、そう思った所がスタートラインなのであって、
気づかせて下さったお二人や4年生の方々の日記に感謝しつつ、
就活にも翻弄されつつ…色々考えたいです。

ちょっと悔し泣きして、色々とテーマを考えて、
「自分は『人のため』っていう大義名分がなければ力が出ない」ってことを
いいことなのか悪いことなのか考えつつ、
もうちょっと本を読んで、嫌になったらリコーダー吹いて、

来年の今頃は胸を張ってたいな。と思いました。

今更ですが4年生と院2の皆さん、お疲れさまでした。
そしてありがとうございます。

投稿者:helve : 2010年02月01日 00:57

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コメント: 向き合う覚悟

デ情の四年生です。(日記の人ではありませんが…)
今の時期からそういう卒業制作に向けて真剣に考えられるというのはとても素晴らしい事だと思います。

例えば毎年「凄い卒業制作だ」と思うものから「四年間の集大成が、これ?ふざけてんのかー!」と思うものまで様々ありますが、その裏には本人ならではの苦悩や葛藤があったのだなあとこの立場になって初めて気付かされる事が多いと思いました。様々ですが、これからの人生において自分に影響を与えるものとして、良くも悪くも卒業制作はとても大事なものだなあと思いました。

就職活動にしてもそうなのですが、終わってから考えてみて気付く事が沢山あります。もしいい卒業制作を作りたいのなら(そうしておけば良かったと思う事)月並みながらいくつかアドバイスを差し上げたいと思います。


・時間をたっぷり取る事

どんなに時間をかけても、みんなぎりぎりになります。これは適当にやっていた人は制作、展示が間に合わないからとにかく間に合わすという意味で必要になります。一方1年間コツコツやってきた人は作品に対する思い入れが強いため、アウトプットや展示形態等で最後悩んでしまうからです。しかし、評価が高い人は例外無く後者です。

途中で企画が変わる事も良くあります。急に展示形態を変える事もあります。しかしそれは時間の無駄ではなくて、真剣に悩んで悩んだ多くの場合、実はプラスになっていたりします。ボツ企画も無駄ではないですよ。

・相談を沢山する

残念ながらまだ我々には一人の力で本当の意味で完成した作品をつくることは難しいと思います。先生や友達に沢山相談する事は、当たり前の事ですがとても大事です。ヒントが転がってたりします。

・WyWayを進む

教授も人間なので首を縦に振る人も横に振る人も様々です。すべての人を納得させる作品はなかなか作れないものですが、色々な人に相談して相談して、1人か2人、例えば担当の教授がうなづいてくれるものが出来たら、意見の取捨選択をしましょう。

この人の意見を取り入れたら展示そのものができない、面白いかもしれないけど、コンセプトにそぐわない…など色々と感じるものがあるはずです。
全ての意見を取り入れたら中途半端なものになってしまう事が多々あります。自分を信じて突き進むとあんがい他の教授の方も賛同してくれます。大事なのは、アウトプットです。

しかし、ねじ曲げるような意見であっても(時期と相談ですが)自分が確かにこうしたほうがいいと感じるものがあったら迷わず色々試しましょう。その為にも時間は多く取って損はありません。


・中間審査(9月)、最終審査(12月)の結果はあまり気にしない

デ情は卒業研究という名目で卒業制作を行います。なのでプロセスドキュメントというものも提出します。
それは最終形態を作る為に必要なリサーチや、ボツになった案、制作過程をファイリングしたものですが、これは必ずしも良く調べたら評価に繋がる、というものではありません。
自分がやった事は無駄なんじゃないか…と感じる事もありますが、その時の評価は所詮、空想のものです。最終形態を見ないとわからないもんです。
それまでの評価があまり良くなかったけど、1月の最終的な講評でドン!と評価が上がる人が沢山います。
よく調べた人は最終的にかならずいいものが生まれます。中間審査や最終審査はついでくらいのノリでやるのが大事です。MyWayですよ。あまり悩まない。


日記を読んでhelveticaさんの卒業制作に対する気持ちが伝わってきて、とても勝手ながら書かせて頂きました。
helveticaさんが「人の為に頑張る」というのであれば、それをキーワードにテーマを探してみましょう。悩んで悩んでその先に、とてもいいものが出来る事を期待しています。頑張って下さい。


長文失礼しました。

投稿者 : 2010年02月07日 09:22

デ情4年の方>

コメントありがとうございます。こんなに沢山書いて下さったのを見て、ビックリと同時にとても嬉しくなりました。
私が卒制を手伝った方も、作るまでに一悶着があったらしく取りかかるのが遅くなってしまったと仰っていました。
そういうことがあるから早く考えなければなあと思ってはいたのですが、就活に翻弄されていて全く考えがまとまってません…

>ボツ案も無駄ではない
このお言葉、とてもありがたいお言葉です…
というのも、今取りかかっている制作が、理想に近づけるのが物理的に無理だということが判明して路頭に迷い中なのですorz
他のアドバイスもとても参考になります。頭に入れながら卒制に取りかかりたいなと思いました。

>中間審査、最終審査の結果はあまり気にしない
デ情の教授のキャラの濃さに、わたくし恥ずかしながらよく流されて「あーでもない、こーでもない」と悩んでしまうたちなので、
このポイントに一番気をつけたいです……苦笑
よくても奢ることなく、悪かったら「今に見てろ」の気持ちがきっと大事なんでしょうね。頑張ろうと思います。

コメントを拝見していて思ったのですが、やはり卒制は一人で作るものではないですね。
制作をするのは一人かもしれないけれども、評判を作るのは見に来る人や教授で、雰囲気を作るのは同じ展示部屋の人の作品だったりする。
そういった意味では全員でクオリティを上げなければならないし、もちろん自分もその一員である、そういった意味でもとても緊張感のいる展示なんですよね。
そして、こうしてあなたのような方や友人のアドバイスを経て一つの作品が出来上がる。
本当に「4年間の集大成なんだ」…と今から途方もない山に登るような気分です。

けど、いろんな人の助けがあるから卒制が作られる、と思えば頑張れる気がしてきました。

先輩のこのとても長いアドバイス、無駄にしないようにがんばります。本当にありがとうございました。

投稿者 helvetica : 2010年02月13日 22:35

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