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一年前のおもひで

やー気付いたらムサビも入学試験をやっている様ですね。住処が住処なので前をちょくちょく通る度に気になって気になって仕方が有りません。ちなみに受験バイト落ちました。ショックでした。
今年受験生である後輩はもう受かったらしくおめでたいです嬉しいです(うちの大学じゃないですが)。浪人したお友達からも良い知らせが来るといいなあ。うんうん。
たしか、春に「受験時期に私の受験話をする」という事をたしか言いました。ええ、更新頻度が極端に低いのでまだ記憶に新しいですね。(すいませ…)という訳で、あれから一年、私の受験経験談を少し。


私は前期の芸術文化学科と後期の映像学科を両方受けました。勿論芸文の方を先に受けたのですが、その手応えがあまりにも悪かった為、映像科受験の時のプレッシャーが半端無かったのが後々起こる事件の原因です。というのも、学科試験はまあ案の定散々だったのですが、小論文の解答用紙を4分の3程度しか埋めていなかったのです。普通受験の小論文ともあれば最後のマスまでぎっちり埋めますよね。今思い返しても何故頑張って埋めようとしなかったのかなぞだ…。
で、私の中で芸文は結果を見るまでも無く落ちるのが確定していたため映像科の試験の出来で今後の人生が決まる様な覚悟で挑みました。浪人は許されておらず、ムサビしか有り得ないと心に決めていたのでまさに崖っぷちです。そんなプレッシャーに私の弱い心が耐えられる筈がなかった。
実技試験は感覚デッサン(お題に沿ってお話と絵を描く課題です)→小論文の順番だったのですが、あらかじめ何個かネタを用意したりだとかそんな事をしなかった私は話を考えるという初めの段階でかなーり時間を食ってしまいました。元々筆が遅いのもありますが。
考えた話と絵をさて解答用紙に書き込もうという段階で既に残り一時間を切っていたのでもう大変です。急いで(半泣きで)描いたのですが、まあ文字は汚いし絵は雑だし。塗りも適当で目も当てられないようなものが出来上がったところでタイムリミットを迎えてしまいました。提出する時に、ちらほら見える他の受験生の解答用紙に、ちらっと「フリーター」というゴールが垣間見えたのを覚えています。

早くも訪れ始めた絶望の予兆にもう私の精神力と体は限界に達していました。私は緊張が限界に達すると体調を悪くするので、もうふらふらです。そのふらふら状態のまま何の改善も出来ずに小論文に挑んだのがまずかった。
小論文、っていうのは言わずもがな頭を使う科目でして。緊張でめちゃめちゃになった私の脳みそで正常な文章を生成するというのがそもそも無理難題でした。少し気を抜けば「ああもうダメだ落ちるんだ」というネガティブな思考回路に陥ってしまう状況で、思考回路を小論文集中させるという行為自体がもう相当難しいものになっていました。従って、実際解答用紙に書いた文章も頭の良さそうなものが書ける筈も無く。小学生の作文みたいな文章を書きながら、ああ落ちるんだなあとばかり考えていました。

そして、残り一時間程で事件は起きました。
今まではまだ過剰なテンパりという程度で収まっていた体調が一気に下り坂にさしかかったのです。凄まじい吐き気がいきなり私を襲い始めました。気を抜くと胃から色々こみ上げてくる。ネガティブ思考と制限時間と、それから体調不良が敵に回り、私はもう満身創痍の状態になってしまっていました。(そんな限界を突破した最中、おぼろげな意識で「ああ、お嫁さんになれば大学とか行かなくて良いんじゃないか」とか思いついたのを覚えています。)
もう私の思考回路はどんな文章を書くかではなく如何に早く終わらせるかという目標にシフトしてしまいました。もうどうにでもなれ!!取り敢えず書けばいいだろ!!と。文章の構成なんて全く考慮しないまま、本能に任せて書き続けました。書き続けた結果、終了まで40分程のこして書き終わったのですが、急いで書いてしまったことがそもそもいけなかった事に筆を置いてから気付きました。
既にその時体調は限界に達しており、いつでも胃液がこみ上げてくる様な状況。そんな中で頭も使わず手も動かさずただじっと40分堪えるなんて事はその時の私にとっては拷問だったのです。
もう視界すらかすむ様な心地で、ひたすら吐き気に堪えようと努力しました。多分その時の私の顔色は人外だったと思います。しかしそんな努力も長く続けられる筈も無く、結局残り30分を残してリタイア。気付けば手を上げて試験監督に助けを求めていました。
それからはアルバイトの学生さんにトイレへ連れていって貰い、出すもん出した後はそのまま教室に戻る事は無く、嘔吐に体力を奪われぼろぼろのボロ雑巾の様な受験生はあえなく保健室送りとなりました。まだ試験終了20分前のその時、保健室のベッドに潜りながら「ああ、落ちたな」ともう涙も出ないまま一人思ったのでした。


そんな人間が今この日記を書いているということはつまりそういう事ですね。
受験生の皆さんには是非、心を強く持って私の様な事にならない様に頑張ってもらいたいです。メンタルトレーニングが必要かも、って、試験期間中に今更すぎますが。
こんな人間も入学出来てるよ、と知れば大分心強いんじゃないかなーなんて、私なりの受験生への応援です。羞恥プレイですね、分かります。

投稿者:fundoshi : 2010年02月20日 20:44

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