リアルな美大の日常を
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美術が産まれる場所
すでにフライング一回ですが、本日から解禁らしいので。
美大フェアで紹介した本、その2です。
林檎の礼拝堂 La chapelle des pommiers 田窪 恭治 集英社 1998-10-26 売り上げランキング : 143142 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
今はそうでもないと思うけど、
一時期、「際立つ個性」「強烈なキャラ」みたいなものがもてはやされ、
美術界にしろ何にしろ、「個性が一番大事」みたいな風潮が出来上がった。
確かに「出る杭を打つ」ような、協調性第一主義みたいな社会も良くはない。
間違えると、これはただのいじめだし。
でも、個性の表出の仕方を間違えているんじゃないかという現象が増えていくなかで、
やっぱちょっと違うんじゃないかなぁと思い始めていた頃、ムサビに入学した。
残念ながら、これはムサビに入るずっと前に読んだ本ですが。
一番個性云々が問題になりそうな美大に入って思ったことは、
「そんなに個性て、大切でもないよなぁ」ということ。
ちょっと語弊があるか。別の言い方すると、
突き抜けた次元の個性なら、それでいいかもしれないけれど、
中途半端に作ろうとする個性なら、それは要らないんじゃないかなぁと。
無理して作らなくても、個性は初めから個性としてあるんだから。
だって、同じモチーフでも、同じ絵は一枚もないんだから。それでいいじゃん。
あとは何処まで自分を客観視出来て、自分のどこを伸ばせるかを見極めるべきかと。
なんか、本の内容とずれてきたぞ。むむむ。
静かな本です。
環境、あるいは建築物、それが建つ風土と対話しながら、
ひとつのモチーフを見つけ、それを丁寧に作り上げていく過程を記録した本です。
美術と環境というテーマでいうと、ほんとはこっちがお奨めなのかもしれませんが。
表現の現場―マチス、北斎、そしてタクボ (講談社現代新書) 田窪 恭治 講談社 2003-04 売り上げランキング : 395295 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
個性のお話、同感です!
僕が現在履修している「哲学概論」という講義で、
教授がこうおっしゃってました。
「個性なんてものはもともとあるんだから、
そんなものをただ垂れ流されても仕方ないじゃない・・・」と。
ふかふかーRさんの記事を見てフラッシュバックしました。
うんうん、たしかに、もともとあるものをほじくりだして、
そのまま裸の状態で「どうだ!」と見せつけるのも、
おかしな話ですね。
投稿者 オトギ : 2011年06月12日 19:02
ふかふかーRさま、こんばんは。
思い立って、中途半端な田舎から立川まで、美大フェアに行ってきました。
ムサビ日記で拝見するお名前の、お勧めカード。
で、きのう地元の本屋で買おうかと思っていた、
ふかふかーRさまが、フライングでご紹介の本を買ってきました。
もちろん、サバオさまの缶バッジもゲット。きゅっきゅぽんさんの、看板・モビール・サバオ2体も見てきました。
うちからムサビに行くくらいかかるので、午前中に出て、さっきですよ帰ったの。
その2でご紹介のと迷ったのですが、その1を購入。
リンゴの礼拝堂のメイキングは、
前に福音館「たくさんのふしぎ」で紹介されていましたね。
読むのが楽しみ。でも、積んであって読んでいない本が多数。順番が問題。
投稿者 yukihaha : 2011年06月12日 19:05
>オトギさん
哲学の先生の意見、賛成!
「個性の垂れ流し」て、ナイスな表現だ。
>yukihaha 様
お買上、ありがとうございまーす!
自分で薦めておきながら、一冊も売れなかったら本屋さんに申し訳ないなぁと思っていたので、ちょっとホッとしました。
投稿者 ふかふか : 2011年06月13日 07:37