リアルな美大の日常を
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美大の目
有田に行ったのは、陶器市の他にもうひとつ理由がある。
今年卒業した版画コースの人が、有田在住。
「一緒に卒業しようね」と約束してたのに、
卒制のスクーリングに現れなかった私を心配して、電話やメールをくれたりした。
それもタイミングが悪くて、いつも私が実家に戻っている時で、
私の方も気持ちの問題で、なかなか電話やメールが出来なかった。
この春、卒業しましたメールを貰った時に、ようやく私も去年からの近況報告ができたわけだが。
有田陶芸市に出店してると、スクーリングの時に聞いていたので、
直接会うのは2年振りなのに、あつかましくも、彼女の店に突撃したのである。
彼女の店内には、今回の卒制が展示されていた。
某団体展で初出品・初入選したとはメールに書いてあったけど、
確かに、今までスクーリングで見た彼女のどの作品よりも、数段良い。
卒制だから当たり前かもしれないけど。
器や陶板を売る傍らで、これらの版画も販売されていたのだが
一般の人に好評なのは、一番具象的なイメージの作品。
私や相方が良いと言ったのは、一番抽象的な作品。
彼女曰く「卒制の好評でも、一番これ(抽象の方)が良いって言われたんだけど、
普通の人が好むのと、先生達が良いって言うものは違うねぇ」。
少し作ることを囓ってしまうと、
どうしても画面の奥行きとか、動きとかに目が行ってしまいがち。
でも、分かりやすいこと、すっきり納得できて落ち着けることも、
やはり大切なんだなぁ。
だって得体の知れない画面を、自分の家の壁には飾りたくないですもん。
何も考えずに、すっと入り込める画面の方が良いですわ。
内から目線、外から目線の差異同様、
美大目線と一般目線の差異を、少し実感した話。