リアルな美大の日常を
Search
受け皿
絵画教室の同じ時間帯に来ている人から、「ムサビの通信でもやろうかと思うんですけど」と相談を受ける。
まだとっても若い彼女だけど、只今無職の身。昔なら「家事手伝い」とでも云うところ。体調壊したりで、いろいろ大変だったらしい。
「ずっと家にいて、何にもしないのも嫌だなぁと思って」というのが、ムサビ通信を考え始めた動機。
まぁ、それはそれで良いんじゃないかと思いますだ。ぜひとも入学して、頑張ってほしいな。
たまに「美大受験失敗したから、通信でもいいや」と入学してくる人もいるけど、個人的にはあんましお奨めしません。経済的理由などで、浪人出来ないというなら仕方ないですが・・・。
同じ美大だけど、やっぱり通学と通信は違います。・・・多分。
昔一般大学に行って、今また通信に来てる、そんな私の個人的感覚ですが、やっぱり高校卒業してすぐぐらいの年齢なら、通学の大学に行った方がいいよ〜と思うわけです。
通信のカリキュラムが駄目だという話ではありません。これは凄くよく出来てます。
先生も大変熱心です。熱すぎるぐらいです。
ただ大学生活というのは、大学で受ける授業以外の部分、サークル活動とか下宿生活とか、バイト等など、全てをひっくるめて経験することが大事なんじゃないかなぁ
・・・と思ったので。ま、個人的意見なので、人それぞれでしょうが。
通信を、単純に受験失敗の受け皿にはしないでほしいな。
なんて書くと、通信の入学希望者が減って、事務局に睨まれるのかしらと、ちょっと不安になったりしますが・・・。
通信は、全ての人に対しての受け皿ではあります。
「再現的描写力はなくても、絵は描ける」というのが、油絵学科の某教授の通信に対する信念。
通信の門戸はとっても広〜く開いています。おかげで、絵なんて何も描いたこともない私のような人間が、美大に行けたりするわけで・・・。予備校で必死にデッサンの勉強とかしてきた受験生から見れば、ふざけた存在だろうな、悪いよなとは思ったりします。
事情は皆いろいろあるから、通信を利用するのもひとつのてだというのは否定しません。
でもやっぱり通信は、かなり自分をしっかり持ってないと、いろんな意味で流されてしまいます。スクーリング期間中は通学と同じような気分が味わえますが、大半の単位は自宅で一人やるしかないわけですから、高校生活とは全く違います。
学校だってそんなに親切ではありません。というか、学校はかなりしっかり情報を流してくれていますが、それをまじめに読んでない人が多いというか・・・、勝手に自己解釈してる人がいるというか・・・。
なので、それなりのコミュニケーション能力と自己責任が必要です。
通信から通学に編入するという方法もあるようなので、そういうはっきりした目標を持って進めば大丈夫かなとも思います。若い人は。
それ以外の年齢の方は、絵画教室の延長みたいな軽い気分で通信に来ると、大変なめに合います。
所詮、大学です。覚悟してください。
べつに脅しているわけではありません。
ただ、そんなに大学は親切じゃないよ、大学というのは自分で研究する場所ですから、というお話。