カテゴリー:感想ノート

KOTOKO

FOR MUSABI


どうも〜〜立ち直りの早さに定評のあるオトギでーす!
なんかめっちゃくちゃ元気!

昨日の夜、高校時代のお知り合いとご飯を食べる流れになったり、
帰って来て深夜友達の家にお菓子食べに押し掛けたり、
今日映画観に行ったりしたら まるで憑き物が落ちたかのようだ!!

人と話すと、自分というものの輪郭に触れることができて
本当に助かるなあ、って。


いや〜落ち込むっていいわ〜〜スッキリだわ〜〜〜

ほんと、いろんな人が僕の話につきあってくださって 感謝感謝・・・
こうして日記を読んでくれる人がいることにも感謝だ。


そんなわけで、KOTOKOっていう映画の感想を書こうと思うんだけど


チャチなホラー映画よりも震えがとまらなかった・・・・・・・・

歌手のcoccoさん初主演
「世界が2つに見える」シングルマザーの物語・・・。
強迫観念からくる幻覚作用、生きるための自傷行為の表現が容赦ない。
休む間もなくとにかく攻めて、攻めて、攻めてくる。
ああ、やっと和やかなシーン!と安心した途端につきはなされる。
説明や休憩が無い。演出の連続に息をする間もなかった。

そして、ときおり挟まれる琴子の歌声、ダンス、語りが 体が浮くほど美しい。


まるできついジェットコースターを10回連続で乗らされたかのような
中華街のバイキングを3回ハシゴしたかのような
カラオケで夜通し演歌を歌わされたかのような

そんな映画でした・・・・・・・・・

※上記したたとえ話はただの妄想であり、実行したことはありません


予告動画をここに貼るかどうか、10分くらい悩んだけど、やめとこう。
とんでもないヒステリックさと、容赦ない暴力表現に何度も目をつむってしまったから・・・
この映画は、とても人には薦められない。
90分間ずっと体に力が入ったまま固まっていたような感じで、
映画館を出てしばらく、脱力のあまり友達と大して話ができなかったくらい!

「1人で観に来なくてよかった・・・」

「ほんとだよ・・・」

「はは・・・」「はははははは」

渇いてたね、笑いが。


とんでもないものを観てしまった気分

ああ、でも なんていうか
coccoさんは本当に、芸術するために生まれてきたかのような人だなあ と
そう思った。
迫真の演技。これほどこの言葉が似合う映画は無いのでは。
終盤まで、これが映画だということをすっかり忘れてしまっていた。

抽象的な 精神面を演出したときの映像の凄みがとんでもなかった。


だから、美大生として
ひとりの作り手として
観ておいて・・・よかった・・・かも・・・・・・・・


でも もう2度と観れない・・・・・・。

オトギ

ただ美しいだけの平凡な

FOR WORLD


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ある日突然「辻斬りのような」男遊びに目覚めた女が生み、
【不幸にも】美しく育ってしまった少女、七竃の物語。
これもいっきに読むには少し重くて、2ヶ月くらい間を置いた。

「美しさ」について
「美しいだけ」だとか
「異形のかんばせ」だとか
軽んじるような表記がたくさんあって、「美」について考えさせられた。

「うつくしい」ということをかつて、
「感動した」と同義であると思っていた。
でも僕は、美しさと退屈さを並べて語る事も可能なんだ と近頃知った。


そのズレがもしかしたら、
親戚のおじさんや、バイト先のあの人が言っていた
「美術なんてあってもなくてもいいじゃない?」というコメントに対する、
ささやかな苛立ちを生んだのかしら。


オトギ

美しいから許す

FOR WORLD


中学からの腐れ縁の友人が泊まりにきていたので、
2本映画を観た。


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こっちは僕推薦。
フライヤーを見た時から「うわあ 気合いの入った映画なんだろうなあ」と期待しつつ
一度も見たことのなかった映画!
友人は落ち込んで泊まりにきたのに、容赦なくこれを借りて上映する僕って外道〜

うーん なんてだらしなくて、美しい映画なんだろう・・・。
太宰治は「斜陽」の後味の悪さに腹が立って以来読んでないし、
以後原作を読む事もないだろうと思うんだけど、この映画は観てよかったなぁ
終盤の演出が最高だった。
ただ、映画館じゃ絶対観たくないね。
自宅の安っぽいディスプレイで茶化しながら観るのがよろしい。

数多の女性陣をたらしこんでは心中してみせたり、離婚してみせたり
でもそういうドロドロした部分はあっさりと省略してしまうので、あんまり印象に残らないや。
ストーリー云々よりも、あざといくらい凝った演出の数々が見どころって感じ。

主演の生田斗真のニヒルな笑顔が素晴らし〜いので、それだけでも見る価値があるかも。


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こっちは友人推薦。
壮大で退屈な映画だった。あはは 途中でその子寝てるし。
主演のオードリー・ヘプバーンが2人とも好きで借りたんだけど、
なんていうか 主役のいない映画で・・・3時間見つづけるには根気が必要だね。

【戦争】を軸にして様々な人間模様が蠢いてるんだ。
その中でぽつんと呟かれる台詞が投げやりでいて深い。
あと、いちいち背景美術やエキストラが豪華絢爛でそこに見入る。

しかし、この世界の「愛」はほんとにしょうもねぇなあ。
戦争って、駄目だ。


でもまあ、2本とも美しい映画だった。
次は美大の子が勧めてくれた「ダンサー イン ザ ダーク」を借りてこよう。


オトギ

夜は短し歩けよ乙女

FOR WORLD


夜は短し歩けよ乙女
夜は短し歩けよ乙女森見 登美彦

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読み切った!

うーん いい物語だな!って思わされた。
言葉選びが風流で、独特の匂いが立ちこめる一冊だ。
「先輩」がサークルの後輩である「黒髪の乙女」に恋をして、
ストーカーさながら彼女をどこまでもおいかけ、「偶然の出逢い」を連発するっていうのが
おおまかなストーリーなんだけど・・・・

冷血な高利貸しと借金を賭けて美酒を飲み比べたり
学園祭のゲリラ演劇に出演しちゃったり
脅威の風邪菌に立ち向かって台風に巻き込まれたり

リアルで大人なのに、なんだかしっちゃかめっちゃかでファンタジック・・・・
いいなあ 【大学生】ってロマンなんだなあ って思っちゃった。
僕も毎日をこの「黒髪の乙女」であるお嬢さんのように楽しんで過ごそう!
そしたら、ご都合主義な神様も味方につけられるかもしれない。

ブックデザインもイイので、もし読むならぜひ単行本で。


オトギ

白鳥のいる美術館

FOR WORLD


今日は千葉の川村記念美術館に行ってきたよ〜
とても刺激的な小旅行だった。
基礎デの子と行ったんだけど、
ご飯食べるとこやら交通やら何から何までお任せさせてもらって、
ありがたや ありがたや と拝みたい気分だ・・・
あと新宿で迷子になって待ち合わせに大遅刻してほんとにごめんなさい
なんだこれは メールか


僕もさ けっこう日本の色んな美術館に行ってるつもりだったけど、
森の中をバスで進んでやっとたどり着く、白鳥のいる広大な湖を敷地内にもつ美術館には感動した・・・・
美術館も、まるでお城のようだった・・・・
全体の間取りからトイレのサインまで、考え抜かれた美術館でね もう すっごい素敵だったぁぁ
これは、たくさんの人に歩いて感動してほしい
何しろ、通路の途中に茶室があるからね!

「抽象と形態 何処までも顕われないもの」という展覧会も、素晴らしかったけれど
常設展の空間づくりに魅了された。


「アンナの光」っていう巨大な作品があるんだ
それは、巨大なキャンパスを鮮やかな赤色で塗りつぶした作品。よく見るとわずかに余白が残ってる。
その部屋がまた素敵でね
部屋に入って真正面に絵が飾られているんだけど、
その両脇の壁は大きな窓で、ゆるいカーブを描きながら外の風景をうつしだしているんだ。
この作品のためにしつらえられた空間なんだろうなあ とパアッと光がさすように思ったのを覚えてる。

一緒にいった子は、「この作品をずっと見たかったんだ」と感慨深げで、
「ここにずっといたい・・」って本当に恋しそう〜に言うから、
僕もうんうん、ってうなずいてた。
そして
「ここに寝そべりたい・・・・」
って呟きに素早くストップをかけて次の部屋に行った。笑


その作家さんの扱う赤色には、声のようなものがあって、
近くで見るとぼんやりと頭が重くなったり軽くなったり
浮遊するような感覚がして僕も好きだなと思った。
でも何より、あの空間の完璧な調和に 僕は惹かれたなあ。
あんな空間があるんだなぁ・・・って思った


すっごい良い美術館だったなぁあ
ああやって作品を飾ってもらえたら、作家冥利に尽きるだろう。
美学あふれる素敵な場所だった。


オトギ

世界中の子と友達になれる

FOR WORLD


松井冬子さんの個展、
世界中の子と友達になれる」を見て来た!

いやぁ・・・・厚みのある展覧会だったなぁ。

本来は、無料で見れるトークショーを見る予定だったんだけど、
開場40分前に行ったら、入り口からピクニック用のシートみたいなのに
座って並んでる人たちが見えてね・・・

あっ 嫌な予感がするぞ〜〜〜(笑顔)

と思ったら、
240名の定員は既にオーバーだった。
一体いつから並んでたんだよ!!!アイドルか!!!
読みが甘かったな・・・でも紅白の審査員になるくらいだもんな・・・って友人と悔しがりつつ

美術館で個展しちゃうだけあって、ボリュームたっぷりだった!
全部で100余点っていってたかな。
それを9つの章に分けて展示されてるんだけど、
解説文もすべて松井さん本人の言葉でつづられていて、丁寧だったし、わかりやすかった。

表題作の
「世界中の子と友達になれる」は、一面の藤の花の中、
少女が藤の花をほんの少しよけて遠くを見つめている美しい絵だ。
でも、よく見るとその藤の花の先端はおびただしい数の蜂になっているし、
少女の足は血だらけ。


この絵を見れただけで、今日は満足しちゃったな。

僕は内臓とかの絵がニガテなんだけど、松井さんの絵はどうしても見てみたかったんだよね。
あ、いや内臓じゃない絵を なんだけど。
数少ない 日本画で「美しい」と思える絵を描く画家さんだったから。
その細かい筆致の妖しさだとか、描写することに真っ向から向き合うリアルな作風は
「さすが藝大出身!」という風格がにじみ出ていて、素敵だと思う。
あと、ご本人も美しいんだよね、これが・・・凄みのある美人っていうか。
それもあってファンなのかもな。笑


こういう人が日本のアーティストにいるってことが、なんだか誇らしい。
日本画 という手段に誠実に向き合って、
痛みを感じるような作風を全面に押し出して、
尚かつ、言葉にして作品を他者に引き渡すことから逃げない。
すっごい かっこいいアーティストさんだと思う。


周辺の雰囲気も、高層ビルが建ち並ぶ町並みにしては隙間がたくさんあって開放感があるし、
横浜美術館もお城みたいなつくりでエレガントで素敵。
春休みに遊びに行くところで迷ってる方は、ぜひ松井冬子さんの展覧会、どうぞ〜。


オトギ

あ、あと。
松井冬子さんが好きな人は、ここの本も好きかもしれないね。
僕の友人がそこでボランティアスタッフやってるんだ。
人を選ぶ分野だと思うけど、よければそちらもどうぞ。

桃とハートと水色

FOR WORLD


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コンビニで見かけて、また衝動的に買っちゃった。
Gokuriのピーチ。

Gokuriってなんでこう、パッケージデザインがおいしそうに見えるかなぁ・・
「水色」なんて、大して「おいしそう」と思う色じゃないはずなのに、
すごくかわいいし、パッと見て「ほしい」と思っちゃった。

よーく見るとね、ハートマークがあるんだよ。
バレンタインとかけてるのかな。



桃をハートに見立ててるのかぁああ!そっか!
だからこの時期に桃なんだね わあ すっきりした・・・!!


ちょうど昨日 お風呂で急に「こんな季節に桃がたべたい・・・悲劇だ」と思ってたから、
なんか異様においしく感じたし・・・

Gokuriいいな。


オトギ

靴音の鳴る夜

FOR WORLD


締まりの悪い気分で 駐輪場に自転車を置いたら、星が見えた
仄かな仄かな光で 点滅するように、夜空で揺れてた。
息を吐いたら白かった。
僕の息がゆっくり 墨のように黒い夜空の中に溶けて消えてっちゃう様子を横目に見て
音を立てて階段を登った。


ブーツやハイヒールのたてる、キリの良い音が好きだ。

僕は気分に合わせて靴音を立てたり立てなかったりする
気持ちに筋を通したいときには音を立てて歩く。
からだ中の力を抜いてしまいたいときにはできるだけ音をさせずに歩いていく。

早く帰りたいけどどこにも行きたくないような
そんな気分で帰ってきて 
何か食べたいけど何も食べたくないような
そんな気分で食べ物を買っても
星粒の1つ2つで僕の機嫌はとれてしまうことに安心して

靴音を立てて歩く
ドアを開ける

つめたいつめたい僕の部屋で 今日も眠りにつき、明日には目覚める。


オトギ

感じる服、考える服

FOR WORLD


東京オペラシティで開催中の、
【感じる服 考える服】って展覧会に行って来た〜

大雑把に言って、ファッションの展示なんだけど、
なんだか 凝ってた!

会場全体に、目線の高さの位置に梁が張り巡らされてるんだ。
梁によって、作家ごとにゾーン分けされてるような感じでさ、
こう 作品を見るために梁をくぐらないといけないのが、
不便だけどサプライズ〜な感じで 面白かった。

服じたいも勿論とんでもないんだけど、
展示のしかたもまた一風変わっててね。


人間のおよそ半分くらいの細さの服を展示するのに、
何もかも縦に引き延ばしちゃった部屋をセットして、
ほっそぉ〜いマネキンに着せてるのとか。
見たときに思わず「ウワッ」って言っちゃった。


他にも お店のように服をいくつも並べてあるんだけど
レジのあの「ピッ」ってやるやつ あるじゃん
あれを、タグに当てると音楽が鳴る仕組みになってるゾーンがあってさ
一緒に行った、桑沢の友人と競うようにピッピッやって楽しかった。笑
なんだろうね 子どものときあのレジの機械をいじってみたかった気持ちを思い出したよ。
あと、あの展示はなんか ショッピングの愉しみ みたいなのを味わえた気がする・・


ファッションをアートとして楽しむのって、なんか 僕は「難しいな〜」と思ってたんだ。

服って、とても現実的なものだから、そこにファンタジーを詰め込むのって、
厳しいんじゃない?って。

でも、こういう丁寧な展示もあるんだな〜。
って、意外に思った。


25日までのようなので、今週お暇な方は、ぜひどうぞ。


オトギ

潔い女(ひと)

FOR WORLD


ワタリウム美術館の「草間彌生展」に行って来たよ〜!
課題やら私事やらに追われていて、すっかり行けずじまいで
もう会期は終わっちゃったかと思ってたんだけど、
昨日確認したら27日まで!ということで 運命を感じて行って来た。

草間彌生さんのつくるものに救われたことがある。
「つくる」ことや進路のことで八方ふさがりになってたときに、
本屋に立ち寄った。
Penという雑誌が目を惹いた。そしたらね、ちょうど特集をくまれてたんだ。
「やっぱり大好き!草間彌生」だったかな
あの病的な水玉模様 鏡 カボチャ。
そして力強い文章。
病んでいながら したたかな生き様。
それがどんなに救いになったことだろう。


今回の展示は、作品を見るというよりは 「草間彌生」について考える、というかんじで
写真やドキュメンタリー映像などが多かった。
おなじみの水玉の部屋と、はじめてみるシャンデリアのインスタレーションは素敵だったけど、
今回に限っては ところどころにある自伝の文章に惹かれたな。

もうね 何もかも断定的で、どこまでも自分を追いつめてつくってるんだよ。
そして こよなく芸術を愛してる。

あれだけ自分のすることに確信をもって
自分のコンプレックスを曝け出して生きていけたら
どんなに清々しいだろう。
あそこまでやりたい。
手段も方法も目指す行方がちがっても、
あれだけ極端な生き方してみたい。

あー行って良かった〜〜


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オトギ

しあわせだったころしたように

FOR WORLD

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ほぼ1日で読み切った。
こんなに美しい文体にであったのは久しぶりだったなあ。
三島由紀夫とか長野まゆみを初めて読んだときのことを思い出した。
何より装丁がうつくしい。ぜひ単行本で読んでほしいと思う。
はっきりとした起承転結や、胸のすくような結末がある、というわけではなかった。
でも、ひとつひとつの些細な仕草の描写がとんでもなく緻密で美しくて、
勢いに任せて読み切らされてしまった、という気がする。

というか
ホームページもうるわしい・・・・
写真ってこんなにファンタジックなんだね。


オトギ

子供の怪談

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今、この本を読んでいる。
こういうことばかり書いていると、暇なのかと思われちゃいそうだけど。
違うんだ・・・・
なんかねー ほっとくと、任されたことばかり考えてしまう「たち」なんだ。
それで、一度悩みだすと深みにはまっちゃう性格でね。
だから、制作してるとき以外は考えすぎないように、読書したりしているんだ
という、弁明・・・・・(笑)


僕は物語が好きだ。
それとはまた違う次元で、本が好きだ。
本という存在が好きなんだと思う。
本棚に隙間なく背表紙が並んでいる様や、
もったときの手触り。そういうものが好きだ。
怖い話は苦手なのだけど、装丁があまりに好みだったから、
思わず買ってしまった。


でも久しぶりにおもしろいものに出逢えたかも。

この本を読んで、幼少期を思い出した。
正確に言うと、この前基礎デの友人が家に来たときのことを思い出した。
荒井良二さんのライブペインティングのDVDを流していた。

「子供の考えることって、なんであんなにおもしろいんだろう」

「私も昔は子供だったのに、いつのまにか感じ方が変わってたんだよね」

ぽつりとその子がつぶやいた。
たしかにそうだなあと思った。

昔は、不思議なことがとても多かった。
いろんなことを信じていた。

たとえば、週末父親が遊園地につれていってくれる、ということと
ネバーランドに行く、ということは、ほぼ同じ可能性をもって僕の未来に広がっていた。


でもそのぶん、恐ろしいことも多かった。
学校の七不思議や恐竜、悪い魔法使い
そういうものと僕はいつも闘わなければいけなかった。


この本を読んでいると、子供のときに感じていた
漠然とした「怖さ」を思い出す。

オトギ

グッドデザインエキスポ②

FOR WORLD


めずらしくきちんと続きますが(笑)
gde1.jpg
デザインの大イベント・GDEに僕もいってきた!その②。
あ、写真撮影してくれたのはいっしょに行った基礎デの子です。
(デジカメの充電器を実家に忘れた)僕の代わりに撮ってくれました・・・・感謝・・・


で、昨日はこのムサタマプレゼンを見たってとこまで書いたんだったね!
gde2.jpg


とにかく、規模が大きくて・・・2000点の作品がずらっとブースに分けて並べてあるんだ。
会場一周しただけでくたくたになっちゃった。笑

僕が気になったものをご紹介

まず、吉岡徳仁さんの携帯さわれたのうれしかった
gde3.jpg
中身が見えるって、良いデザインだなあって思う
電化製品が身の回りに溢れた生活をしてるけど、
何がどうなってるのかってぜんぜんわかんないじゃない?
たとえばテレビとか「うすーい!」って感動するけど、なんで薄いのかまで調べようとしない。
だから見えちゃってるのって、なんかサービス精神あるなあっていうか
うん、あんまりカッコいい感想じゃないね。笑


あと、基礎デは夏休みの課題で復興に関するものがでてるから、
東北コーナーが気になってたんだけど・・・
あっ、ここで友人は用があるので退場。
苦し紛れにi pod で撮った写真になるけど許してね!

IMG_0025 - バージョン 2.jpg
お酒のデザインのリメイク

IMG_0030.jpg
ほしいも 

IMG_0027.jpg
木のカスタネット

東北の名産物を武器に売り出そうって気持ちが感じられた。
箪笥とかも素敵だったな。
木はけっこうかぶってて、いろいろ種類があった。
ほしいものデザインとかすごく好きで、「ぜったい知ってるデザイナーさんだ!」と思ったら、
やっぱり佐藤卓さんで、「やられた」と思った。
んー、課題どうしよっかな〜


ラスト!!

僕がいちばんワクワクしたのは

IMG_0024.jpg

これ。これなんだと思う?

実はね・・・

IMG_0023.jpg

遊具なんだ!

そりゃないよ!って感じだよね。
しかも深澤さんデザインだった。
うん、言われてみればこのフォルム・張りは深澤さんだ!笑

「子どもがどうやって遊ぶかを考えて楽しむ遊具」。
傍にあるモニターのなかで、子どもたちが
寝転がったり、すべったり、のぼったり
楽しそうに遊んでる。


「危険だから」って理由で、公園から、
僕が子どものとき大好きだった遊具がどんどん減ってるらしい。
「つまんないんじゃないかな〜あれ。」
と思って、公園を横切るの、ちょっとかなしかったんだ。
だから深澤さんが遊具のデザインしてるのあったかい気持ちになったし、
何より、

「なにこれ!」

ってデザインが刺激的だった。

デザインって、「説明する前にわかる」べきものじゃないか。
たとえば、ハサミを渡されて、どこをもつのか迷わないでしょ。
そういうものなんだろうなあって思ってたんだ。
だから、見て「なんだろうこれ」って思うような、
考えさせられるデザインは新鮮だった。

深澤さんの講義が後期にあるけど、楽しみだなあ。
こういうこと、したいんだな。僕。

見る人がワクワクするような、サプライズプレゼントみたいなデザイン
素敵だ。


・・・というわけで、レポートおしまい!
くたくたになったけど、行けてよかった。


オトギ

グッドデザインエキスポ①

FOR WORLD


グッドデザインエキスポ 行ってきました

ねむくて倒れそうになったの ひさしぶり。
何が言いたいかって
ビックサイト 広い!  デザイン 多い! 
こんな大規模なイベントひさしぶりで 僕はびっくりさ
漫画のイベントも同時開催してたんだね 
なんかこう 客層がすごい・・・幅広いなあって思ったよ


ムサビ・タマビのプレゼンも見て来たよ!

●ムサビ
ムサビは「第一パン」さんとコラボして、パンのパッケージデザインのプレゼンをしてた。
で、実際に商品化されたパンも無料配布して。

いつでも、いつまでもおいしい時間:時計の絵の「ロングライフパン」
イメージキャラクターを描いた「100円パンシリーズ」
おうちにもって帰りたくなる:家の絵を描いた「ミニクロワッサン」
コンセプトとデザインが直結してて理にかなってるなって。かわいいなって思った。
パンもおいしく いただきました。


●タマビ
タマビは「兆し」をコンセプトに?プロダクトデザインの発表というか、
インスタレーションを会場でしてて、そのプレゼンをしてた ・・・のかな。
会場内に大学の個室?みたいなのが設置してあってね。
タマビは多角形をモチーフ台のように複数配置して、そこにプロダクトがいくつも置かれてたんだ。
プレゼンにBGMとムービーがあっておおかっこいい〜気合いはいってると思ったけど、
説明できないところを見ると、僕にはよくわからなかったようだ・・・。すみません

ムサビは具体的 タマビは抽象的 でうまいこと対照的なプレゼンになってるんだなーとか思った。
あと言うまでもないけど先輩方 プレゼン上手だ!
学科のプレゼンもあれだけできればカッコいいだろうな
笑顔で噛まずにゆっくりはっきり喋る。
礼儀だよなぁ・・・

エキスポ全体では、「遊具」について関心が向いたなあ。
と、書こうと思ったんだけど 無理だ
ちょっと寝ます。
つづきは 起きたら もしくは また明日・・・!

オトギ

おもしろどうぶつな一日

FOR WORLD


横須賀美術館に行って来た!

それというのも、このひとの作品がどうしても見たくて。
もう忙しいし寝坊したし(!)どうしようかと思ってたんだけど、
後悔したくないから、勢いにのって行って来てしまった。


ただ僕ね びっくりしたんだよ


片道4時間もかかると思わなかったんだよ・・・・


携帯の乗り換えで調べたから、電車で2時間くらいかかることは知ってた。
でも、僕の住んでるとこ、最寄り駅から銀座まで1時間くらいかかるようなところだし、
都内だろうな〜とか思ってたんだ。
電車が横浜を過ぎたあたりで、これはおかしいぞ と思ってたんだけど


改札をくぐったら そこは海だった。

グレートーンの地平線を、海鳥たちが横切って行く

僕 ポカーンだよ

え?海鳥?これ海鳥?って誰も答えてくれないよ
わけがわからないよ

バス乗り場で行き先を調べたら「神奈川県」ってしっかり書いてあった
うっかり県外でてた・・・・
バスから眺める町並みはあきらかに「港町」という風情で
わくわく乗ってたんだけど

思ってたより山奥だった
怖かった
暗いし(※着いたの17:30)


ただ、展示はとてもおもしろかった。
「おもしろ動物展!」っていう親子向けの展覧会で、
説明がとても丁寧でわかりやすかったし。
屏風から彫刻、絵本まで 表現の仕方をしっかり見せてくれて。
「動物」って空想の対象としてとってもえがきやすいし、
奥が深いよなあ ってドキドキした。

肝心の土屋仁応さんは!!
やっぱり素敵だった〜〜〜〜〜〜
木の質感と儚げな水晶の瞳がとってもロマンティック。
あれは、欲しい。
来年の個展もぜったい行こう
制作のヒントを得た気がする。


美術館の屋上に公園があって
そこで遊んでる子どもの笑い声をBGMに
ふーっと海を眺めて帰ることにした。
ちょっと荒れた波模様と、鈍色の空のなかで、太陽が底光りするようにちらちら見えるのが
気持ちいいな〜と思った。


そして爽やかな気持ちで家路につければよかったのに
お気に入りの傘を美術館に忘れて帰る という
僕がいちばんおもしろ動物だ!と言われかねないオチをつけることになるのであった。
どうすればいい・・・・・


オトギ

フィールデザイン

FOR WORLD

今日は、芸祭でいっしょに展示する子たちとギャラリーツアーをしてきたよ。
体力のない僕は、今すぐにでもぐっすりと眠れそう…。
それくらい、中身の詰まった1日だった。

ギャラリーに詳しい子に予定とか色んなことを任させてもらって、
僕はもうお客さん気分で楽しませてもらった…あは
神保町と銀座と、いくつか回ったんだけど
神保町の見本帖本店「Feel the paper」が特に面白かった。
紙に注目した、カレンダーや灯りのデザインが置いてあって、
…わくわくしたね。
和紙と絵本のコラボレーションは流石としか言いようがない。あれは欲しい!
紙の見本とかも、見るの楽しかった!
本とか好きな子にはたまらないんじゃないかな、あそこ。
電子書籍とかが出たことによって、
最近、人々が紙の良さに敏感になってる気がする。
展覧会は明日までだから、都合のつく人にはオススメだよ。


せっかく6人なんて人数で行ったのに、あんまりみんなの語りを聞けなかったのがちょっと悔しい。
それというのも、僕がはしゃいで喋りすぎちゃったからなんだけど。(笑)
今日という日が、うまいことみんなの作品に活きていくといいなあ〜

まあ、そんな何もかも完璧にいくとは思っちゃいないけど。
いい展覧会にな〜れっ

オトギ

たいせつなものは水の中

FOR STUDENT

つみきのいえ
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涼みたくて、昨夜久しぶりに手に取った一冊。

ご存知の人も多いだろうけど、アカデミー賞をとった映像作品を、
絵本として再制作したものだよ。
淡い水彩のタッチと、主人公のおじいさんが癒してくれる・・・。

映像作品もぜひ見てほしい。とても美しいんだ。
あたたかな暗闇の中に、ぼんやりとした優しさを感じる。


僕たちが積み上げて積み上げて 
それでも残していきたいものってなんだろうな。


オトギ

光の魔術師

FOR STUDENT&MUSABI

 今日は国立西洋美術館のレンブラント展を、舞台を学んでいる友人と見にいってきた。

 レンブラントの絵画は、光がとても美しかった。
「光があるから闇が生まれ、闇があるから光が引き立つ。」
言い古された言葉だけれど、本当にそうだと思った。
レンブラントの絵の画面の大半は、闇に深く沈んでいるのに、光が美しいから、
光のほうが印象に残って絵画が光の要素の多い物のように思えてしまう、
というような魔法にかけられた。
いろんな光の「質」を感じることができる展覧会だった。
それもとても上質な光だった。

 照明を専門的に学びたい、と思っている友人は、
「光の魔術師」というレンブラントのあおり文句に運命を感じて行こうと思って、
どうせだからと僕も誘ってくれたんだって。
 彼女の考えてることもおもしろかったなあ
美術館というのは、一緒に行く人によって色んな見え方がしておもしろい。


オトギ「光が 鋭いか 淡いか で、絵の雰囲気が決まるし
   光の あたってるところ と、 あたってないところ でどこに注目するか変わるんだね
   照明(光源)っておもしろいねえ・・・。」


友人「そうなんだよ だからいい加減にしていいことじゃないんだよね。
   あと、舞台をつくるときに、ひとつ軸にする照明を決めると 良い物になるんだよ」


といった会話をぽつぽつとして、その度 ほおおお となったオトギであった。
舞台見に行きたいなあ。
あと、テレビとか見るときに、ちょっと気にしてみると楽しそうだねえ。

 
 そんなレンブラント展、来週までやってるらしいから、都合のつく方はぜひどうぞ。
ムサビ生はキャンパスメンバーなので900円で見れるよ。
常設展もよかったなあ。
 いいものを見ると、僕のもやもやした頭の中にも光が当たって、
つかみたいものが少しクリアに見える感じがする。
しあわせ。


オトギ

30分で行けるワンダーランド

FOR WORLD

今日は基礎デの友人と

●原宿のギャラリー
ワタリウム美術館
森美術館

の豪華三本立て!アートツアーをしてきたっ!

 原宿駅から徒歩で回ったんだけど、おもしろかったなあ〜
僕は長野出身なのだけど、都心の美術館にはチャンスがあればよくきてた。
ただ、ギャラリー等には明るくなくて。
友人に案内してもらって、歩いて見て回るのは刺激的だったな。
同じ分野が好きでも、好きなもののタイプが違うと、目線や捉え方が違うからいいよね。
たとえば、「印象派」が好きな人と「肖像画」が好きな人が隣りにいる状態で、ピカソを見るのは面白そうだ。


 それでは個々の感想など書いていきたいと思う!


□ギャラリー(※作品の販売も兼ねる。プロ・アマチュア不問で展示ができる場所)
 展覧会の感想というよりは、「よし、僕もやろう!」という決意を持ち帰った形になった。
地方にいたら絶対にわからなかった。
こんなに簡単に、作品を人に見せるチャンスが得られるだなんてことは!
 もし地方の子がここを見ているなら、一度東京のギャラリーを訪れることを強く勧めたい。
きっとドキドキする。夢ができて、受験もがんばろうと思えるはずだ。
 ちょうど視デの先輩が展示をしていて、展覧会をぐっと身近に感じた。
個展もいいし、グループ展もいいなあ。絶対やろう。
ギャラリーまわって、気に入った作品部屋に飾りたいなあ


□ワタリウム美術館[驚くべき学びの世界展]
 海外で子どもを相手におこなわれた美術の授業の発表?と言っていいだろうか。
ワークショップに近いかもしれない。
子どもの作品とそれにをまとめた記事のようなものが2階から4階まで並んでいる。
といっても、文面のような堅苦しさは微塵もない。
言葉にできない、「アート」の素晴らしさを全身で感じられるような展覧会だった。

 色んなことを考えた。

「やっぱり本来の美術教育はこうあるべきで、
これを素晴らしいとかうらやましいとか言ってしまううちは日本は大損しているんだ」
とか、

「自由な『自己表現』というのは学ばなくてもできる。子どもの方が面白いくらいだ。
ならば既に大人に近づいてる僕たちが学んで得ることができる『表現』とはなんなんだろう?
それはデッサンのような技法でしかないのだろうか?」
とか、

「子どもがアートにふれて楽しそうにしている。感動している。
それがたまらなく愛しいしうれしい。」

とかね。
子どもやワークショップに関心がある人はぜひ一度訪れてみてほしい。
子どもたちのエネルギーが心地いい。


□森美術館[フレンチ・ウィンドウ展]
 森美術館の展示に関しては知っている人も多そうなので、説明は省かせて頂きたい。
フランスの国旗があしらってある、あのパンフレットの展覧会である。

 これは美大生、特にデザイン科の人に全力でおすすめしたい!
「デザインとは何か?アートとは何か?そして世界とはなんなんだ?」という問いを、
非常に過激でテロリズム溢れる表現で僕たちに投げつけてくる。

あなたはどこからどこまでが「作品」なのかということを考えたことがあるだろうか?

 
僕たちが曖昧に定義してやり過ごしていることについて、疑問を持ち帰ることができる。
そんな展覧会だった。

 ちなみに僕が特に気に入ったのは
マチェー・マルシエ『無題』
フィリップ・ラメット『合理的浮上』
サーダン・アフィフ『どくろ』
の3つだ。ぜひとも展覧会に行った人と語り合いたいのだが・・・
そこのあなた、ゴールデンウィークの予定が空いているなら一度どうだろう。
感動し思考する旅の切符は、わずか900円で手に入るのだけど。
 映像作品もおもしろかったな・・・感覚的だけど退屈しなかった。


 そしてどの会場でも驚いたのは、子どもがいたことだ。
いいことだなあ。うれしいことだなあ。
ただ、お母さん方に対してひとつ思うところがある。
子どもに対して理論的に「これはこういう作品なの」と説き伏せるのは違うんじゃないだろうか。
作品というのは感動して初めてその人にとって価値が生まれるものだ。
だからどんな値のはる絵画も、知者の言葉も、感動しなければ通り過ぎていいのだ。
それを知恵でむりやり噛み砕いて飲み込むのではおいしくない。
いずれ手に取ることもしなくなるだろう。
なんて、子どものいない僕が、奥様方に意見するのは、あるいは生意気なのかもしれないが。


オトギ