どこにあるのかわからない

FOR MUSABI

落ちつきたくて、2時間くらい街を徘徊していた。
怒りとも哀しさとも焦りとも呼べないような何かがうねっていて、
なんだかどうしようもなかった。
1週間、朝から晩までずっと誰かと一緒にいたから、いきなりひとりの時間がやってきて、
心が混乱していたのかもしれない。
人といると、くらい気持ちが奥の方にひっこんで見えなくなる。
見えなくなるけど、ずっとそこにいる。
それを動くことで吐き出したかった。でもそんなことで消えなかった。
どうにかして削っていくしかないようだ。

おさないころは
おさないころは、いつか絶対的な悪があらわれて、自分の正しさを確かめられる日が来ると思っていた。
曲がり角で偶然ぶつかるように、絶対的な悪と出逢うのだと。
でもそんなものはいつになっても現れなくて、足下の石につまずいたり、降ってくる木の実に頭をなぐられたりしている。


どこにもないなあ。
絶対に正しいものも優しいものも美しいものも。
どこにもないんだなあ。
どこにもないことを言い聞かせるために探しているような、そんな日々だなあ。


オトギ

投稿者:fantasy : 2013年01月16日 23:05

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