リアルなムサビの日常を
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ざわめく家路
FOR WORLD
性懲りもなく、雨の中出かけてみたりした。
帰り路、
濃紺に沈んでゆく家や竹藪はどこか物語めいて見えて、
手は凍るように冷たいのに、僕は浮き足立った。
そんなありふれた黄昏時に
ひときわハッキリと見えるのは光だ。
信号機の点滅、大型バスの残像、誘うような家の灯り。
そんな人工的なライトアップが集まって
まるで虫の群れのように見える時がある。
どこか言葉をもってざわめくのだ
時に急かすように、時にもてなすように。
僕はイルミネーションや夜景なんかにはあんまりときめかないんだけど
そんなときには、光に愛嬌を感じてしまったりするんだ
ちょっと、可笑しいよね。
オトギ