リアルなムサビの日常を
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靴音の鳴る夜
FOR WORLD
締まりの悪い気分で 駐輪場に自転車を置いたら、星が見えた
仄かな仄かな光で 点滅するように、夜空で揺れてた。
息を吐いたら白かった。
僕の息がゆっくり 墨のように黒い夜空の中に溶けて消えてっちゃう様子を横目に見て
音を立てて階段を登った。
ブーツやハイヒールのたてる、キリの良い音が好きだ。
僕は気分に合わせて靴音を立てたり立てなかったりする
気持ちに筋を通したいときには音を立てて歩く。
からだ中の力を抜いてしまいたいときにはできるだけ音をさせずに歩いていく。
早く帰りたいけどどこにも行きたくないような
そんな気分で帰ってきて
何か食べたいけど何も食べたくないような
そんな気分で食べ物を買っても
星粒の1つ2つで僕の機嫌はとれてしまうことに安心して
靴音を立てて歩く
ドアを開ける
つめたいつめたい僕の部屋で 今日も眠りにつき、明日には目覚める。
オトギ