リアルなムサビの日常を
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きみの話をききたい
FOR WORLD
眠れない夜には、
誰かの話を一晩中聞いていたい などと思ってみたりする。
こんなに寒い夜が続くというのに、年が明けてから僕は寝つきが悪い。
どんなに疲れてても目が冴えちゃうんだ。
それで、一度眠ってしまうと中々起きられないんだから、
なんだかとっても、損してる気分さ!
灯りを消して、
真っ暗な部屋の中
家の前を通る車やバイクの下世話な音が響くのを数えたりしてると、
・・・気が滅入ってくる。
考え事もはかどらないから、そういうときは遠方の友人のことなんかを考える。
「この前悩んでいたことはもう解決しただろうか」
「そういえば一緒に遊びたいと言われて、はぐらかした約束があった」
「あと手紙の返事も書かないといけない」
長いこと連絡をとりあっていない後輩や先輩のことを思い出す
恩師の顔や、ついでにいつかの同級生のことなんかも思い出してみるけど、
まだ名前を字にして書けるかどうかすらアヤシイ、なんて思う
そうこうしてるとなんだか、誰かの声が聞きたいなあなんて思って来ちゃう。
人の目を見て話すことが好きだ。
大勢でいるときには我慢している君の鬱屈や、
親の前では恥ずかしくていえないような夢物語、
まだ言葉にしたことすらないような秘密を、残さず黙って聞いてしまいたい。
どこから見ても自己中心的なその暴言も、
普段の徹底的な自分への厳しい仕打ちを見てしまえば許せてしまうし
珍しく荒れた声も、口だけじゃ終わんない君の前ではいっそ美しい。
誰もが「つきあいきれない」と匙を投げちゃうような、とびっきりひどい人の話が聞きたい。
それで「君は最低だ」と笑って、「お前もな」と返されたいんだ。
オトギ