リアルなムサビの日常を
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つめたい部屋
FOR WORLD
時間が流れるのが速いのは、きっと秋のせい。
今は「共通絵画」という実技を毎日やってる。
ドローイングを火曜日までに5枚完成させないといけないんだけど、
僕は体調を崩して遅れてたから、今日は放課後のこってやってきた。
10時まで開いてるって聞いたから、
夕飯の時間まで粘ろうと思って 8時まで大学にいた。
部屋には誰もいなくて、まるまるひとつアトリエを貸し切った気分だった
高校のときの記憶がフラッシュバックした。
作品制作のために、毎日毎日7時まで学校に残って
たったひとりきりで、音楽を聴いてたときのこと。
誰もいない美術室は、どこかよそよそしい
ついさっきまで見知った人のいた場所には何も無い。
人の体温や声の余韻が響くように
建物の軋む音や、動物の鳴き声が聞こえる。
とっても異質な空気。
程よい緊張感の中で、僕の手はさっきよりは迷い無く動く。
人のいない部屋というのはどこか気安い。
僕の集中は長い事つづかない。すぐに手が止まっちゃう。
きちんと選びたいんだ
色も形も濃さも場所も。
ひとつひとつ丁寧に重ねたい。
それで、考えるの嫌になって手がとまる。笑
考える力がかえってくるのに時間がかかって、また考えて の繰り返しだから
なかなかアクリル絵の具は厚くならない。
でも、一人だと切れた集中力はすぐに帰ってくる。
いつもより気楽でからっぽのアトリエで
もしも明日早く起きれたら ちょっと早く描きにいこう。
やっぱり僕は ひとよりゆっくりやりたいから
そのためには、時間をいっぱいつくらなくちゃいけないんだろうな
他にもやらないといけないことは、たくさんあるけど
手を動かす合間 考えることにしよう。
オトギ