まぼろしの朝

FOR WORLD

 今日は霧がでていたね。

 霧にかすんだ町を歩くのは、すごく贅沢だ。
まるで絵本の世界に降り立ったみたいで、ドキドキする。
一歩先も白く隠されていたりすると、もっといい。
真っ白なその空間から、今にも得体の知れない何かが飛び出してきそうだし、
まったく違う世界へと続いていくような・・・そんな気がするんだ。

 だから、霧がでている朝は、とても特別なんだけど
霧はいつの間にか晴れてしまうから、
そんな感覚は、帰るころには夢でもみていたように消えてしまう。
でもね、そこが美しいんじゃないかって、思うんだ。
だってそれは、僕だけが見ていた、まぼろしの朝なんだよ。


オトギ

投稿者:fantasy : 2011年06月02日 21:02

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