リアルな美大の日常を
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知らない世界とそこにあるかもしれない目標
友人と会ってきた。
彼は引きこもりである。
彼が引きこもりになった時、私は何もできず進学した。
そのことがずっと気になっていたのだが、自分に余裕がなかったのか負い目を感じていたのか連絡を取る事はできても会う事はせずにいた。
大学生になって、新潟に帰ってきて彼と会う事に決めた。
彼は相も変わらず不健康そうな顔色をしていた。
冗談を言えば笑うし、用事があれば外にも出る。自分の想像していたひきこもりとは様子が違って安心した。
しかし、家族以外の人と話すのは2年ぶりという。
私はお節介で説教臭い事を言ってしまう。
そのため、彼に「これからどうするのか?このままでいいのか?」と強く問うてしまった。
余計なお世話なのだろうが、彼の事が心配だった。
「大学へは行くつもりがない。行く必要がないと思う。まず、欲しいものがあるからバイトをしたい。だけど電話がかけられない。かけられないまま諦めてしまう。これからやりたいことはない。目標はない。好きなものはない。」
そう言っていた。
彼は今が楽だと言った。
私は充実しているかと聞いた。
彼は口をつぐんだ。
このままでいいはずはないのだ。
私は保守的な考え方をするので、とりあえず大学へ行く事は考えた方がいいと勧めた。
明確なやりたい事に向かって突き進んでいる訳ではなく、何をしたいか次の目標を探しながら大学という場にいる人もたくさんいる。そこでいろんな良い出会いもある。
今はやりたいことや目標はなくても知らない環境にあるかもしれない。
だから、人と話した方がいい。
そのために大学でなくとも、当面の目標を何か決めた方がいい。
正論を言った。
中学高校大学という流れに身を任せてきた自分。
目標を自分で決めたと断言できない自分。
これからどうしたいのか、これまでどうしたかったのかわからない自分。
自分の言葉が自分に跳ね返ってきた。
私と彼とは大して違わない。
ただ、私は運のよい環境にいて、いろんな人に出会えたからここまで来れた。
彼は少し複雑な環境で、いろんな人に出会える事ができなくて立ち止まった。
何も違わない。
俺はどうしたらいいのだろう。
自分の学んだことなんかをその子にも見せてみたらどうだろう?
何かをしてあげたいという気持ちがあるのであればそれも一つの道標になるかもしれないですよ。
見てみぬ振りを続けないだけでも十分、彼に接することによって、彼の世界に多少の変化は訪れてはいるはずです。
その変化を受け入れるか跳ね除けるかは彼の問題になってしまいますが。
投稿者 pv : 2011年07月28日 00:29
そうですね。
彼の世界をすこしづつでも広くしたいですね。
投稿者 aoiroennpitu : 2011年08月01日 23:35