2007年07月14日

3・国勢調査を調査する(山本勝美)

国勢調査を調査する
国勢調査を調査する山本 勝美

岩波書店 1995-08
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手に取った理由:
きっかけは忘れたが昔読んだことがあって、日本国憲法の期末レポートを書くに当たって読み直してみた。

読後感:★★★☆・(3.5)

軽く感想:
「調査する」というよりかは、コテンパンにたたいています(笑)。
一方的な気もするけれど、小冊子だからそこは突っ込むべきことではないのかな。

「建前の数字」を決めることって結構重要だってことはわかるんだけれども。
理想と建前の大きさの割りに、結構雑で脇の甘い調査方法。
建前を守るどころか失うものも多いんじゃなかろうか。国家にとっても国民にとっても。

ここ2〜3年で個人情報の取り扱いの問題が多発したけれど、95年に発行されたこの本はそれをきちんと見据えてたと思う。
少なくとも、調査反対派の理論をまとめられたのは大きい実績だと思う。

本の内容が一派の主張っぽい感じもあったので★を少なめにしたけど、割と読んでおくとこの先の時事ネタがいっそうリアルに感じられそうな予感。

昔ながらの賄いつき下宿をやっている知り合いの話ですが。
「住民票を移さないまま上京して、ある家の一室を間借りしている」というケースの取り扱いについて、
大家さんも知らなかった上に、調査員さんもいまいちルールを理解してなかったらしい。
そのため2年前の調査のときは、下宿人用の調査票を受けとりわすれたとのこと。
(本来なら住民票よりも現実的な住居を優先するみたいです。ホームレスの人にも調査票は交付されますし)
 
 
 
というわけで、今度「平成17年度の人口」を見かけたときは、頭の中で5人分足し算しておいてください。
いや、5人じゃすまないかも、全国的に見ると…(汗)。




Posted by akaiwa at 2007年07月14日 00:05
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コメント

いわゆる全数調査の難しさですね。国勢調査は無作為抽出を行わずに全数を調査をすることに意味がありますが、当然すべて正しい答えであるわけではないので、法律では虚偽を記載すると違法ですが、罰則規定はなかったような...


とはいえ、新宿区新大久保にいる統計局のおじさんおばさんたちはものすごく頭のいいひとたちと聞きますから、当然そのようなことは見越して、統計処理をすると思いますよ。


問題は、その結果を恣意的に利用する(あるいはねじ曲げる)政治家や官僚どもです。

Posted by 音量子 at 2007年07月14日 01:17

懲役レベルの罰則規定はあります。が、今のところ適用されたケースが無いようです。
国勢調査は妙に突っ込んだ質問が多いので(学歴や勤め先の名称など)、
近所のおしゃべりな伯母さんも調査員になっちゃうような、プライバシーの保護を徹底させづらい調査方法のままそれらを問うのは憲法違反なのではないか、と言う感じでレポートを書く予定です。

統計処理なら専門家の腕を信頼すればいいでしょうが、取り扱っているのは単純な数字ではなく国民一人ひとりだから、それは忘れてほしくないですね。

Posted by 赤岩 at 2007年07月14日 21:17

>近所のおしゃべりな伯母さんも調査員になっちゃうような、プライバシーの保護を徹底させづらい調査方法のままそれらを問うのは憲法違反なのではないか、と言う感じでレポートを書く予定です。

なるほどなるほど。そういう視点でしたか。

僕自身はいかに精確に情報を収集するという視点しかありませんでした。勉強になりました。

Posted by 音量子 at 2007年07月14日 23:49
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