2006年07月11日

助手さんに

オフラインで「赤岩」と呼ばれてしまいました。
しかも、彫刻研で。
やばし。

きっとこれは、「うだうだしたことをブログに載せないで、ちっとは彫刻について語れ」ということを、暗に示しているのでしょうか?
暗に示しているのですね?
有難き幸せ。

といっても、単なる「イジリ」なだけの方が可能性が高いので、今回もちびくろがらみの話を(オイ)。
ものづくりの道具の話だから許してください…。

higonokami1.JPG

「肥後守」という和式のナイフです。読めますか?「ひごのかみ」です。
(念のため。↑の単語は登録商標です)
ちなみに、下敷きにしているのは今年のシラバス冊子だったり(笑)。

久米宏時代の「ニュースステーション」内の「絶滅危惧商品」シリーズで取り上げられていたので、昭和60年生まれの自分でも存在自体は高校あたりから知っていました。それまで知らなかったというと、懐古主義なお方が嘆きそうですが。
また、工芸教育法の大坪先生が授業中にこれを話題にして、「肥後守を持っていないとね、大きいお兄さんの遊び仲間に入れなかったんだよ」といっていました。

それでも自分は「それなりに」しか聴いていなかったので、手に入れようとはしませんでした。
が、最近ちびくろでナイフの使いやすさを考えるきっかけがありまして。

ちびでは竹を削るときに世界堂で売っているような切り出しナイフを使っています。
が、これが大人でもちょっと握りづらいグリップの太さでして、手の小さい小学生には竹の箸を削るのに余計な労力を使っているように見えました。
また、安いせいか完全に右利き用でしかない刃の出し方なので、左利きの子が裏返しにして使って「削れな〜い(汗)」と言うこともしばしば。
左利き用のナイフを用意していなかったことを反省したりしました。

そこで、自分の中で備品改良計画スタート。
前述の話を思い出し、まずは「肥後守」でYAHOO検索。
すると刃物のオンラインショップで取り扱っているところを発見。
早速1500円くらいのと700円くらいのを2種類注文。
届いた品物はシンプルイズベストなデザインで、グリップも切り出しよりかはずっと薄い。
折りたたみ式の刃を出すときがちょっと怖いですが(笑)、結構な使いやすさ。
落書用の鉛筆を削るだけなので、いまいち使いきれていませんが(苦笑)。
まだまだ邪道だけど、とりあえず自分の筆箱の中に常備中。
去年の珍念さんみたいに、帰り道に職務質問されなければいいけれど(汗)。

(知らない方へ。今年3月に卒業された珍念さん(ムサビ日記OB・工デID)は、ポケットに小さいカッターを入れたまま外にでたらおまわりさんに連行されました。しかも、卒制締め切り数日前に…)

と、推せ推せモードの自分だけど、まだまだ不安が残る状態。
まず学生が使えないと子どもに使わせるのはちょっと危険(鉛筆デッサン経験者が多いから大丈夫だろうけど)。
昔の子のように「ポケットにいつもナイフ」ではなく、割と一過性の強い図工教室というイベントに持ち込んでいいのかまだ判断しかねるし。
それに、肥後守以外のナイフを知らないのでもう少し研究の余地はあるかな。1本当たりのコストも考えたいし。
(もしこれをごらんの方の中で「このナイフもいいんじゃない?」という情報をお持ちであれば、コメント欄にご一報を)
でも個人的には好き。今度部会で取り上げてみよう。


その昔、「男児」から「男の子」にステップアップするためのアイテムだった(らしい)肥後守。
その昔、政治的情熱が激しすぎた青年が、これで嫌いな政治家を刺してしまい大騒ぎになった肥後守。

実は、作っているところはもう1件しかないそうです。Nステで取り上げたとおりの「絶滅危惧商品」。手に入れるのは今のうちのようです。
(「肥後ナイフ」みたいな類似品ならまだあるようですが)


あー、だらだら書いていたらまとまりのない長文になってしまった。
とにかく、赤岩はもっと肥後守を使いこなしてみたいのです。



Posted by akaiwa at 2006年07月11日 01:10
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コメント

「ひごのもり」だと思ってました・・・・。

Posted by 手羽 at 2006年07月11日 04:25

自分も最初は読めなかったです。
今はもちろん読めますが、パソコンで「ひごのかみ」と打つと「肥後の守」と「の」が余計につくのが不満だったり(単語登録すればいいだけですが)。

Posted by 赤岩 at 2006年07月11日 08:27

肥後守で検索していたらたどり着きました。自分は肥後守&肥後ナイフのコレクターです。で、ちょと気になったのですが 浅沼稲次郎を刺した刃物は日本刀の残片(残欠)で作ったナイフです。刺した瞬間のニュース写真を見れば あ、長い!と判ると思います。それと肥後守&肥後ナイフを作っている会社ですが まだ数軒以上残っております。正式な「肥後守定」を名乗れるのが「カネ駒」
(駒の上に逆Lの=金尺です)だけですが)他社の物も私のHPで公開しています。お暇な時間でもあれば御笑覧下さい。100本以上有ります。
http://www.teshima-hp.com/knives.html

Posted by 手島@水戸です。 at 2006年08月05日 18:14

★手島さま
図工教室でパソコンを触れなかったためお返事が遅くなりました。


>浅沼稲次郎を刺した刃物は日本刀の残片(残欠)で作ったナイフです。

ご指摘ありがとうございました。
…また浅はかな知識で知ったかぶりをしてしまった(汗)。
自分はNステでの特集で見てはじめて肥後守を知ったのですが、そのときに「肥後守で刺した」と勘違いしていました。


>それと肥後守&肥後ナイフを作っている会社ですが まだ数軒以上残っております。
>正式な「肥後守定」を名乗れるのが「カネ駒」(駒の上に逆Lの=金尺です)だけですが

日記を書くときに「肥後守」という固有名詞にこだわりすぎてしまいました。
誤解を招いていたら申し訳ありません。
ちなみに自分はカネ駒2本しかもっていないので「肥後ナイフ」についてはあまりわかりません。
時間のあるときにHPで勉強させていただきます。

Posted by 赤岩 at 2006年08月17日 16:44

お返事有り難うございました。肥後守/肥後ナイフは学童用の基本的な道具として我々の世代は認識していましたが 今じゃ絶滅危惧種ですね。浅沼稲次郎刺殺シーンは全国のお茶の間に流れた為 皆強烈な印象として刻みつけられたのだと思います。また刺した山口二矢(おとや)が未成年であり獄中で縊死したのも記憶に残る原因ですね。
肥後守は三木市に有る三木洋刀組合所属の鍛冶屋さんだけが名乗れるもので 現在はカネ駒(永尾駒)さんだけが残っていて あとは廃業/休業中だそうです。
肥後ナイフは組合員以外で作られた物。これは色々残っております。小生のHPに安価な学童用から高級カスタム品まで掲載しています。固有名詞と言えば そうなのですが、現時点ではカネ駒以外は肥後ナイフという状態です。他で肥後守を名乗っているのはカネ駒OEMの商品です。

Posted by 手島@水戸 at 2006年08月18日 13:56

またもや長文ありがとうございます。
自分の不勉強さを実感します…まだまだにわかファン状態。

Posted by 赤岩 at 2006年08月20日 21:05
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