リアルでギリギリな美大生の日常を・・・ (※微妙に非日常系日記)
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私の気になった卒制紹介その2(ファインアートしばり
木版画つながりでどんどんいこう。
これも木版画です。
卒制中、工房が狭くて作業ができないという深刻な状況に陥ったために急遽開放された
集中工房という部屋で私は作業していたんですが、この作者の彼もその一人。
という訳で横でずっと制作を見ていたんだけど、とりあえず紙がめちゃめちゃ薄いんです。
だからバレンを使わってないのね。刷るっていうか、本当に版木に紙を乗せるだけって感じでした。
いやぁ〜本刷りにケント紙使ってる私にとって、
木版画の和紙の扱いはとんでもなくめんどくさいっていうか異文化交流。
あと、一番この作品の伝わらない凄さは
版木が一枚だけなんです!!
彫り進み法っていうんだっけかな?
一般的に木版って色の数の分版木が必要なんだけど
これは一色刷る度に少しずつ彫り進めていくっていう技法。
失敗は許されないし、めっちゃめちゃ頭使うんだよー
たぶん講評の時もそれに気づいてた先生ほぼいなそうだったのがなんともはや・・・
まぁその努力の報われなさが彼っぽくて好きだ。
ちなみに彼、結局クリップでとめるだけの展示方法になったのですが、
額もちゃーんと買ってしまっています。笑 (推定4万ぐらい?
あと、同じ部屋で作業していた同じく木版画の子の作品。
ちょっと写真じゃ伝わらないかもしれないけど高さ180センチはあった気がする。
しかも1枚でもでかいのに、3枚連結しちゃって大変なことに。
これは油性木版なんだけど、油性木版ってプレス機で刷るんですけど、
彫った所にインクがのるから凹版になるんですよね。
でもこの作品の場合、ぶっちゃけ凹版も凸版も関係ない。笑
ペインティングみたいにインクをのせてるので、凸版のところもあれば凹版の部分もある。
ってか彫ってない部分が大部分なんだけど、プレス機通してるけどほぼドローイングです。
版表現にも大きさにもとらわれない感じがカッコイイ。
あと、私が一番衝撃だったのが、
彼女の彫刻刀の持ち方が完全に油絵描く時の筆の持ち方なんですよ。
集中授業の時に、ふっつーに鉛筆で下書きしてるのかと思ってたら、
右手に持っていたものが彫刻刀だったのでビックリしたのを今でも覚えてます。
でも卒制でまた一緒の部屋で作業することになり、彫る様子を遠めからチラ見すると
なんと、彫刻刀の持ち方が普通の持ち方になっていたんです。
『あれ?!持ち方が普通じゃん!?』
『うーん・・・・やっぱり危ないからね。』
ここにきて今更正論っっ!!!!
なぜか説得力があるがいったい何があったのか。
いやーもっとサクサク進ませるはずだったのに
次は1エントリーにつき3人でいきたいな・・・・・
一番見てほしい所ほど気つ”いてもらえないものですよね・・・。
逆にたいした手を加えていない場所とか評価されたり、
ほんと、人間は千差万別でおもしろいです。
投稿者 ぺトレリ : 2010年02月10日 15:50
返事遅れてすいません。
その友達は2日で作った方褒められてました。笑
講評見ててこの作品いつの間にできたんだよ!って思ってた私は
その不服そうな作者の顔がとても面白かったです。笑
版画専攻では卒制で5つ作品を作らなくてはいけないんですけど、
先輩いわく、ひとつはビックリするほどサクっと作れるらしいです。
(私は4つで一つの作品しか作ってないのであれですけど)
それを褒められると複雑ですよね・・・・
作る過程を知っているのと知らないのだと
作品への見方が全然違うから、全然工房に来ない先生方の意見は新鮮です。
投稿者 四輪駆動 : 2010年02月15日 17:33