ムサビ日記 - 四輪駆動 -

やっとこのタイトルの日記を書くことができる日にいたりました。

長いようで本当に短かった、
　
『終わらない〜どうしよ〜(死)』
　
と言い続けた日々が、ついに昨日終わりました。
　
　
最後の講評はピリピリしたムードかと思いきや、
良い意味でゆるく、みんなの力作が見れてとても楽しかったです(眠かったけど)
　
　
講評の後は３年生が素晴らしい追いコンを開催してくれて、
おかげ様で最高にうまい酒を飲むことができました。
ってか全てにおいてクオリティが高すぎてビックリしました。
本当に３年生ありがとうございます。
　
　
しかもそんな素敵な追いコンで
最後の卒業生からの言葉でシルクの番の時、
　
　
なんと私、大号泣しました。笑

もはや泣きすぎて逆に笑える。
　
だって『もし自分が死んだら泣いてくれる？』
と、頻繁に聞かれるアンドロイドのようなこの私がですよ？
　
卒業式はいつも笑いながら同級生を慰めているようなこの私がですよ？
　
みんなが泣いている時どんな顔をしたら良いか分からない綾波レイみたいなこの私がですよ？
　
　
なんていうかその時は“寂しい”って思うほど終わったという実感は全然無くて、
本当に幸せな場所に４年間、いられたなという充実感でいっぱいで
涙が止まりませんでした。
　
　
サザエさん一家のようなアットホームな版画専攻１期生には
ビックリするほど良い人達ばかりで
私の中では地味に『良い人』の定義の革命がおこっていました。
　
　
本当にささいなことかもしれないけど、
例えば版画の工房は８時に閉まるのですが、
７時半とかに自分の作業が終わっても
終わらない子の片付けを手伝うために残ってたりする。

そんなささいなことだけど私の中では本当に衝撃の事実で、
何よりそれを“当たり前”のことのようにやっている事が
油から編入してきた子も同じことを言っていたけど
最初は信じられませんでした。
　
　
制作では誰もが追い込まれ
普通の人なら追い込まれるとイライラしたりして他人に当たったりするのに
　
お互い励ましあい、
　
もぅどうしていいか分からないほど苦しいはずなのに
全然顔に出さず(まぁ滲みでたりはするけど)
それをネタにして腹筋痛くなるほどの笑いに変えてしまう環境。
　
　
『困ってる人がいたら助ける』
『人に当たらない』
『本気で笑える』
　
　
そんな人として当たり前のことを
本当に偽善とかじゃなく当たり前にやる人達に囲まれて、

いつしか私もそれが当たり前のようになっていて
他の場所でビックリするほど感謝されたり、誉められたりするようになって

版画専攻の子達の凄さを再確認させられました。

でも当たり前すぎて感謝の気持ちを忘れてきたのはちょっと難点‥‥‥爆
　
　
思えば受験時は頭の中はサッカーばかり。
大学の前半では映像表現や立体表現に興味を持ち
絵画、ましてや版表現の意味が見い出せず、（さっきリンクしたけどここでも言ってた
　
『はたしてこれは版画でやる意味があるのか？
ドローイングやＣＧでも良いんじゃないか』
　
なんていう結論が先行し、課題を適当にこなし続けてました。

正直その頃本当に学校へ行くのが苦痛で
『絵描くのが本当に嫌いなんで何でこんなことしなけりゃいけないんだよっ！』
と、地元の友達にぶちまけていたりしたのですが、
　
３年あたりで刷り師の人に色々技法を教わり、

『版表現がつまらないんじゃなくて、
その版表現の可能性を私が知らないだけだったんだ！』
　
ということに気づき、
否定するならそれを知ったうえで否定しなきゃ
ただかっこつけて逃げてる負け犬じゃないかと心から反省し、
今では版画がわりと好きになりました。(こんだけやってわりとレベル
　
　
っていっても面倒くさがりの私には向いてないってだけで
版画自体はすっごい面白い表現方法だと思っていて
版画をやる人を応援したい気持ちでいっぱいです。

そんな版画の卒制は、たぶんこんな思いで制作しているのは私だけだと思いますが

この版画専攻の素晴らしさを伝えたい！
ムサ版１期生として泥をぬっちゃいけない！
朝から晩まで作業してるみんなのモチベーションを下げてはいけない！
展示の質を落としてはいけない！
　
そんなプレッシャーで毎日自分との戦いでした。
　
　
結局私は卒制なのにゴミみたいなもんしか作れなくて
人に見せるのが嫌でしょうがなくて
みんながｍｉｘｉやＤＭで告知している中、
場所を聞かれても一切教えないというシャイガールですが

一応足手まといになるほどの物ではないと思ってるし
褒めてくれた人達もいっぱいいたし
まぁそれが今の自分の実力なんだって受け止めてます。

作品に対しては本当に不完全燃焼だったけど
こういう考え方ができる人間になったってことは
私の最大の誇れる点です。

私には作品で版画の素晴らしさを伝えきれず
文章でこんな風にしか伝えられなくて残念だったけど
まぁいつか版画でそれを表現できれば良いなぁ〜と思ってます。
あぁ〜マジ悔しい。

たまたま入ってしまった武蔵野美術大学の版画専攻。

こんなムサビのはじっこの狭いところですが

本気で悩んで
本気で笑って
本気で泣いて

本気で来て良かったと思える素晴らしい所でした。
お世辞抜きで。
　
　　
もともとそれが伝統だったんだろうけど
もっと伝統になったら良いなぁと思ってます。
　
来年はコバトさん達が引き継いでくれるはずっ！
　
　
版画のみなさん本当にありがとう。
迷惑もいっぱいかけてごめんね。
　
　
いやぁ〜ほんとにムサ版に来てよかった！！！！
　
いやぁ〜ほんとにムサ版に来てよかった！！！！（大切なことなので二回言いました