リアルでギリギリな美大生の日常を・・・ (※微妙に非日常系日記)
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教育実習させていただきました。その3
前回の話はこちら。
■教育実習させていただきました。その1
■教育実習させていただきました。その2
実習入っての最初の授業は3年生の選択実技の絵画でした。
モチーフは男性セミヌードで20号以上のサイズ(A1サイズぐらい?)で油絵、または水彩。
え‥‥これって大学入った最初の課題と同じじゃ‥‥‥
※ちなみに最初の課題とは黒人男性セミヌードのデッサン→白人男性ヌードの着彩で20号サイズ以上(?)でした
母校でありながらも私のいた時と大分カリキュラムが変わっていて、
いきなりの充実した授業内容に驚くと同時に前から自覚はしていたものの、
つくづくこの実習は自分が教師になった時、参考にならない実習だなぁ〜と思いました。爆
まず普通に考えて一般高校で人物モデルを長期に渡って描くことは無いし、
こんなでかいサイズを描くこともまず無いし、
水彩か油絵か選べるってのもほぼ無い。
そりゃあやろうと思えばできるのだろうけど金銭的にも時間的にも
生徒の技能やモチベーション的にも無理でしょう。
恵まれた環境すぎて逆に恵まれてないっていうね‥‥‥
そんな訳で先生が用意した参考作品のプリントにも
造形の合格作品がいくつかあったりしたのもあり、
完全に気持ちは予備校の先生って感じで見回り。
私が一番この授業で悩んだのは
『絵に正解が無い』こと。
特に油絵は形が崩れていても成立するし、
『味がある絵』ってものが存在します。
だから一概にここがダメってのは言えないし
しかもその“味がある”ってのを生徒に伝えるのも難しい。
というかブログで説明するのも難しい。
しかも私はあんまり使わないけど“味がある”って表現は、
描けてない子のフォローの際にも使われることが多いので
この発言は生徒を傷つけかねません。(実際に使ってしまってちょっと傷つけてしまったかも)
あと、先ほど予備校の講師のような感覚で挑んでいるものの
中には美大受験しない子もいるので“自由な表現”をして欲しいと思うけど
自由にしすぎるとそれは“授業”じゃなくてただの“趣味”になってしまう‥‥‥
特に最初は初対面の子ばかりで
性格も分からないし、どんな絵を書きたいかも分からないし、
言ったあとに『さっきの発言はもっと言い方があったな‥‥』とか
めっちゃ後悔したりしました。
あと致命的だったのが
『私だったらこうやって書き進める』
というビジョンが見えなかったこと。
私も現役の時凄い苦手だったのが背景の処理の仕方。
特に人物を描くとき全身を入れると背景の比重が大きくなります。
人物と背景を一緒に考えるってのが本当に難しくて
一応生徒には『背景も人物と同時に描き進めた方が良いよ』
‥‥‥とは言うものの自分が描く立場になったら背景をどうしようか全然思い浮かばない。
今まで描けなくても教えられるっていう甘い考えがあったけど、
それは完成した作品にしか通用しないことで、
制作段階の指導において、やっぱり確かな技術は必要なんだなと、改めて痛感しました。
‥‥‥と、ここまで書いといて言うのはアレですが、
日記が専門的な話になりすぎて、いったいどのくらいの人に伝わってるか不安です。
実を言うと新劇場版ヱヴァを見てきたんだけど
そっちの方が絶対需要あるような‥‥‥
でも実習で考えたことが本当にいっぱいあって、メモらないと確実に忘れるので
とりあえずここに記しておこうと思うので今後もよろしくお願いします。